るさんちまん

技術メモとか雑記とか

エンジニアリングマネージャー1年目で読んだ本

はじめに

2019年を振り返る - るさんちまん に書いた通り、昨年10月からエンジニアリングマネージャー(以下EM)になり1年ちょっと経ちました。

キャリアを通じて初めてのマネージャー職となったため、まずは(組織|チーム|ヒューマン)マネジメントに関する最低限の知識を書籍から得ようと思い新しく本を読んだり以前読んだ本を読み返したりしていました。

年末ということもあり、Amazonの購入履歴をたどりつつ当時考えたことを思い出しながら感想を書いていこうと思います。これからマネージャーになる方へ、少しでも参考になれば幸いです。

読んだ本

ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学

経営学の論文やデータをベースに、「なぜ大企業は革新的イノベーションについていけないのか」「男性中心職場での『できる女』の条件」といったよく議論されるいくつかの経営のトピックについて筆者の考察を述べている一冊。

個人的には「日本企業に、ダイバーシティー経営は本当に必要か」の章が非常に興味深く、自身がずっと疑問に思っていたことの一つの回答が得られて頭がスッキリした思いでした。

エンジニアリング組織論への招待

エンジニアリングとは不確実性を効率よく削減することであり、不確実性は「未来」と「他人」の2種類がある、という前提からアジャイルの概念やメンタリング、組織開発について明快かつ具体的に書かれています。

マネージャーだけでなくエンジニア誰しも読んでおいて損のない一冊です。

エンジニアのためのマネジメントキャリアパス

1エンジニアから経営幹部まで、それぞれのポジションで考えるべきことややるべきこと、アンチパターンが非常に具体的に書かれており、自身の役割が変わるたびに何度でも読み返したくなる本です。

1.2章の「管理のされ方」は「上司が自分のことをわかってくれない」と嘆く若手エンジニアや「部下から信頼されていない・評価が低い」と感じているマネージャーにとって役に立つエッセンスが多いと感じます。

今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則

マンガ『ジャイアントキリング』に登場するサッカーチームの監督・達海猛が行った(一見非常識な)チームビルディング手法を、実際のビジネスの現場と照らし合わせて紹介する一冊。私はこのマンガのファンでもありEMになる前からこの本は読んでいたのですが、あらためて読み返しました。

アジャイルの文脈でもよく取り上げられるチームの4つのフェーズ「フォーミング」「ストーミング」「ノーミング」「トランスフォーミング」において必要なコーチング手法をわかりやすく解説してくれており、私も実際にこのエッセンスを現場でも取り入れています。

HIGH OUTPUT MANAGEMENT

HIGH OUTPUT MANAGEMENT

HIGH OUTPUT MANAGEMENT

インテルの元CEOがインテル流のマネジメント手法についてノウハウを書き記したマネージャーのバイブル的な一冊。 「マネージャーのアウトプットとは『自分の組織のアウトプット+自分の影響力が及ぶ隣接組織のアウトプット』」という定義が単純にして本質であると感じます。

抽象的・観念的な話題だけでなく1on1等のミーティングの準備や進め方についのベストプラクティスについても紹介されており、私も「評価フィードバックミーティング前にフィードバック内容をあらかじめ読んでおいてもらってからミーティングを行う」というプラクティスを取り入れるようになりました*1

おわりに

ここまで書いてきてなんですが、ぶっちゃけて言うと本を読んだだけでいい感じにふるまえるほどマネジメント業務や現場の課題解決は簡単ではないと感じています。ただ、書籍を通して一般的なマネジメントの"型"や先人たちの知恵をうっすらとでも頭に入れておくことによって、自身が直面する課題に対する解決の方向性が見えたり、取りうるアクションの候補を瞬時に思い浮かべることができたりと、プラスの効果があったかなという実感があります。

来年もマネジメントに関するインプットを続けたいと思っているので、おすすめの書籍があればぜひ教えていただけると嬉しいです。

*1:もちろん、評価の内容やメンバーとの関係性・性格によってそうしない場合もあります